第3章 混沌の街、ザミナへ
深夜に響く靴の音がより大きく聞こえるのは
この街が静かすぎる他ない。
「なんか、不気味じゃないか?人1人いないなんておかしいぞ…。」
後ろで怯える女には目もくれず先へ進む。
おかしい…、人が見えないのに気配は多くいる。
10人は…いる。
バン!!!
突然の発砲音が、左斜め後ろから聞こえたが
やはり見えない。
「しかたない。」
鎌を上に投げ、詠唱。
「天から光が届かない闇の中で生きし者共よ。1人残らず貪り喰らえ。ダークナイトメアウルフ!」
大地が揺れ、湧き出る泉のごとく現れたのは
暗闇の番犬たち。
4頭が4頭とも、違う方向を向きながら唸る。
「いけ。ウルフ!」
それぞれが見えない罪に向かっていった。