第1章 滅ぼすは罪
夜明けになる頃には姿を消し、次の夜を待つ。
もう何人殺めてきたことだろう。
蛆虫のように這い出てくる輩をいくら葬っても、終わりが見えることはない。
むしろ、切れば切るほど増えているような気さえする。
そんな思いのまま、また闇を歩く。
コツ…コツ…コツ…
このまま罪人を切り続けても、意味はあるのか。
それとも無意味なことを意味のあるようにしているのか。
見えぬ答えはどこにあるのか。
それとも、もうすでに消えているのか。
罪がある限り、切り続けていくのだろうか。
それでも、決して切ることに終わりはないのだろう。
この世界はそういう世界。
光に包まれることなど、ないのだろうから。