第5章 第2戦の幕開け
グルルルル…
クリムゾンよりも巨大な怪物がハクスから生まれた。
「こいつ、もしかして…。」
「女、こいつを知っているのか。」
聖魔の翼が、何やらざわつく。
「和の神、ヤマタノオロチ…!」
頭が8個あることから、名付けられたその大蛇は
昔話に出るほど有名である。
「シニガミ、オマエヲコロシテヤル…!」
全ての首が、堕天使に殺意を向けている。
「コノチカラ、スバラシイ!!」
「女、 少しの間だけでいい。ここから、離れろ。」
「わ、わかった!」
タッタッタッタ…
「ホホウ、オンナオモイダトハシラナカッタゾ!」
「勘違いするな、戦いの邪魔をされたくないだけだ。」
剣をさっと構え、口調を続ける。
「さて、その首狩らしてもらうぞ。」
「ヤッテミロ、デキタラノハナシダガナ!」
一つの首が、ギルティブレイクに襲いかかる。
さっとかわしたつもりだが、2つめの攻撃に気付くのが遅れ…
ドン!!!!バーーーン!!!!
勢いよく、地面に叩きつけられる。
「ソンナモノカ、シニガミヨ。」
ゆっくり立ち上がるが、先ほどまでの余裕がもうない。
和神との戦いは、不利な状態から開幕した。