第4章 混沌街の傷痕
ギャウウウウウ!!!!
今までよりも不気味な雄叫びが炎とともに、舞い上がる。
「なんたる力…!!」
自らの僕が黒煙に包まれているにも関わらず、にやりと顔が緩む。
そんなハクスを睨み付け
「最後は貴様だ。」
大剣の先で示す。
通常ならば、死を覚悟するか、戦いに構えるかするものだが。
ハクスは嬉しそうに叫んだ。
「すごい、すごいです!それが死神の力!私は感動です!」
「ますますあなたを、殺したくなりましたよ!」
黒炎に手を突っ込み、肉片を引き抜く。
燃える腕は次第に、黒くなるが何故かそれ以上は燃えない。
「あ、そうでした。倒したから、教えますね。」
「私は科学者です。生物兵器に関する分野を担当しています。」
もはや、科学者なんて肩書きはもう、どうでもいい。
今気になるのは、その能力だけだ。
「人体実験、自分の身体でも行ったか。醜いやつだ。」
「実験?違いますよ。私の場合は、もはや最高傑作ですから!」
掴んだ肉片が、少しずつ腕から吸収されていく。
「これでクリムゾンが私の体内に…!!」
過去最高の笑顔と言わんばかりに、嬉しそうな科学者。
「あはは!!やっとだ…!!」
「見せて上げましょう…!!私の最高傑作を!」
ピシ…。ピシピシピシピシ…
科学者の背部からひびが入る。
やがて、切れ目は背中を二つに分けて…
そこから出てきたのは、異形の姿であった。