第4章 混沌街の傷痕
「最初の一撃で、わかっただろう。この速さにそいつはついていけないのだ。」
空中でたたずむギルティブレイク。
地上では、傷を負った獣が毛並みよりも赤黒い血を流しながら上を睨む。
「俺たちも加勢しようぜ!」
雑魚の一人が、声をあげる。
「な!お前らずるいだろ!」
女は銃をかまえるが、先ほどの回復力を前にするとただの無駄だとすぐに思い出した。
「堕天使の力、思い知れ!」
剣を天に突き刺し、そこから勢いよく振りかぶった。
「女、動くなよ。」
「わ、わかった。」
返事したとたん、雨が降ってきた。それも、大剣の。
ザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュ!!!!
無数の剣が、一帯の罪に襲いかかる。
とりあえず、先ほど準ゾンビ軍団は全員、息をしなくなった。
化け物にも複数刺さったが、やはりそれだけでは倒れない。
「お強いですね…!さすがだ!」
感嘆をもらすハクス。
何度も何度も、切り刻んでもクリムゾンは生きている。
「さすがに、これ以上は無意味だな。なら、もう終わりにしてやろう。」
右手に、力を溜める死神。
その力は徐々に熱を持ち始め、やがてゆらゆらと炎へ変化した。
「さて、燃え尽きるがよい。化け物よ!」
右手の炎を握り込み、熱を消した途端…
クリムゾンの地面から、巨大な黒炎柱が発生した。