第3章 *シロ、日々勉強
ギュオンと凄い勢いで飛びついたのは、シロくんだった。
飛びつかれたサダコはと言うと、
「ギャアアアアアア! 何この白犬、超怖い!」
と叫びながらゴ○ブリのような動きで地面を這いずりながら逃げ出した。
『鬼灯様っ、大丈夫ですか?』
「はい、さんの方こそ大丈夫ですか」
『私は大丈夫です!(右腕は痛いけど)』
「そうですか、なら良いんですが」
と、そこへシロくんが走って戻って来た。
しかも満足気な顔で。
「よくやりましたよシロさん。 B級ホラー洋画の狼男みたいで素敵な登場でした」
「はいっ、鬼灯様」
『シロくん、ありがとうございました。おかげで助かりました(笑)』
「はいっ、様!」
嬉しそうなシロくんを私は撫で撫で、撫でまわした。
もちろん、感謝の気持ちを込めての行為なためご了承を。
その後鬼灯様が飲み物を奢ってくれるとの事で、3人(2人+1匹)で近くの自動販売機へと行った。
『鬼灯様が奢ってくれるなんて、何か珍しいですね』
「私だって飲み物くらい奢りますよ。 どれにします?」
『じゃあ……ミカンにします』
ガコンと取り出し口に出てきたミカンジュースを手渡され頭を下げる。
ちなみに鬼灯様はその隣のブドウジュース(果肉入り)を買っていた。
シロくんも奢ってもらって、3人並んでベンチに座りジュースを飲みながら話をする。
「不喜処地獄には慣れましたか?」
「はいっ、先輩に色々教わってますっ」
ゴクゴクとシロくんはジュースを飲み干した。
早いな、飲むの……
鬼灯様なんか今から飲み始めるのに…
と言うツッコミを入れていると、1匹のワンコが走ってきた。
「不喜処の子かな?」と思っていると、やはりそうだった。
どうやらシロくんは報告書を出していないようでその催促に、そしてそのワンコは不喜処のお局様らしい。
そしてシロくんの愚痴話が始まってしまった。
『(シロくん…凄い溜まってたんだなぁ)』
そして私はジュースを飲んだ。
あれ、一番飲み始めるの遅いの……私?