第5章 ＊白澤

朝、大王と話をしていると眠たそうな顔をした鬼灯様がやって来た。



『おはようございます……眠たそうですね』



「おはようございます。昨夜ちょっと徹夜で……」



「え〜〜不眠は肌によくないよ。ハゲるよ」



「お前がハゲろ」



「ハ…ハゲるもんか」



朝からハゲるとか、ハゲないとか…なんの言い争いですか。
隣で聞いていて呆れてしまった。



「あ、これから桃源郷へ行ってきます。注文していた薬が出来たようなので」



『あ、じゃあ私もご一緒しても良いですか？』



「良いですけど、何か用事が？」



『桃太郎さんがどんな感じかと思いまして。久しぶりに顔を出すついでにね(笑)』



まぁ、もちろん行くための口実だけども……
鬼灯様からのOKも出たし、一緒に行くことになった。



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桃源郷は、あの世絶景100選の一つに選ばれており、とても綺麗で落ち着ける場所だ。
シロくん、柿助くん、ルリオくんも誘って5人で桃太郎さんが居る極楽満月へと向かう。



『……あれ、』



店はもう目の前だというのに鬼灯様が居ない事に気づいた。
キョロキョロと周りを見渡しているとシロくんが、



「鬼灯様だったらあそこだよ？」



『え…あ、いつの間に』




見るとルリオ君を、肩に乗せたままいつの間にか白澤様の背後に回っている鬼灯様が…

白澤様と言う方は、極楽満月で薬を売ってくれている神獣様です。
この2人…とっても仲が悪いんですよ。


『お久しぶりです、白澤様』



「あっちゃん、久しぶり〜」



笑顔で手を振ってくれる白澤様に笑顔で会釈する。
シロくん達も桃太郎さんの所へ駆け寄っていて、皆嬉しそうで良かった。
こちらまで嬉しくなり胸が暖かくなった気がした。