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〜bizara knabino〜【鬼灯の冷徹】

第3章 *シロ、日々勉強


「はぁー、やっぱいつ見ても凄いですねー」


「今、一体何が……(汗)」

二人ともお札が飛んでいった空を見上げながら呟いていた。


『これで、お札は大丈夫ですよ。あ、飴どうぞ』


「あ、あぁ、ありがとうございます』


走って来てくれたお礼として、さっきと同じように飴を渡す。
こちらも受け取ってくれた。


『テレビはもう他の人が?』


「はい、さっきふた手に別れて来ました」


『そうですか。…よければその場所に案内してもらえますか?』


「はい、分かりました!」


『では貴方は仕事に戻って下さい。もう大丈夫ですから(笑)』


「はい! ありがとうございました」


獄卒さんは大きな返事をし、書類を抱えて仕事へと戻って行った。
その姿を見たあと私は案内してもらいその場所へと向かったのだ。


『(それにしても、逃亡なんて……新卒さんかな?)』


そう予想し、もしそうだったら可愛いなぁと思った私。


「あっ、」


『……?!』


突然前を走って行た獄卒さんが声を上げ立ち止まったため、何があったのかとその視線の先を見る。
テレビの周りに多くの獄卒さんが居て、その中に鬼灯様の姿もあった。
だが、そのテレビから出てくるサダコは今にも鬼灯様に飛びかかりそうな感じだ。
誰一人としてその動きに反撃する気配が見えず思わず私は構えて告げる。


『動きを、止めろっ』


私の足元からボコッボコッと土が盛り上がり、サダコの元まで一直線に進んで行く。
そして、サダコの真下から無数の薔薇が生えそのトゲトゲで身体を締め付け動きを止める。


『っ……』


上手く捕らえて「よっしゃぁ!」とか思っていた自分だが、いきなり命令を出した右手に鋭い痛みが走った。
連続で大きな事をしたからだろう。
「こりゃ、また怒られる…あの2人に」とは思いながらも、今のは仕方ないと言い訳を作っている私。


「様だ! 動きを止めてくれたぞ」


「よーしっ、今のうちに」


「っ、ちょっと待て…コイツ、薔薇を引きちぎってるぞっ!?」


『ん?!?!』



一番驚いたのは自分だった。
ギッチリ締めあげていたつもりが、いつの間にか引きちぎられている始末。


『(これ以上は無理…誰か早く捕まえて下さいよ)』


必死の思いで念じていると、何者かがサダコ向かって飛びついたのだ。
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