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夢にみたヒト

第2章 近侍にしてた彼が



今起きているこの状況がイマイチ掴めていない私は
この人は何か知っているのか…?
と、隣を歩く彼を見る
『あ、あの…三日月宗近、さん?』

「…うん?先程から気になっていたが
随分と他人行儀な呼び方をする…
じじいは寂しいぞ…
せっかく会えたというのになんだその呼び方は…」
眉を下げ、口元を隠しながらまるで捨てられた子犬のような目をしてこちらを見てくる

『えっと、ごめんなさい…っ』
思わぬ展開に謝る一言しか出なかった

「いつものように三日月と呼んでくれてよいぞ
おじいちゃんとも呼んでいたな?」
微笑みながらこちらを見てくる彼の言葉に驚きを隠せない

『え…?“いつもの”ように…?』
もしかして、今起きてる状況は

「審神者様ー!!!」
2人の声ではない第三者の声がユメを呼ぶ

『え、今の声って…!』
あのモフモフを思い浮かべる

「ふむ、2人きりの時間はこれまでの様だな
少し惜しい気もするが、今日の近侍は俺だ。
離れてくれるなよ、主」
繋がれていない片方の手で、私の頬を撫でる

『わ、わかりました…っ』
真っ赤である事が
鏡を見なくともわかるくらいにあつい
とにかく恥ずかしい…!

「審神者様…!ハア…やっと、お会いできました」
先程の声の主であるこんのすけが
走って会いに来てくれたようだ

『か…っ、可愛い…!!
ホンモノは違いますね…!(?)
モフモフのふわふわ…』
あまりの可愛さに
三日月と繋いでいた手を離し
こんのすけを抱いて撫でくりまわす

「そ、それよりも…この状況についてですが…」

「ああ、その事については俺から説明する
こんのすけには悪いがもう帰ってくれてよいぞ」
少し不機嫌気味に、三日月が帰るように促す

『え?でも折角走って来てくれたんですよ?
少しくらいゆっくりしていっても…』

「…それでは俺は先に行く。
主は其奴と一緒にいる方が楽しいようだしな」
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