第1章 ハジマリ
Sside
病院に運ばれ、雅紀は救急治療室に運ばれた。
おれはただ、救急治療室の外の椅子に座りながら彼の無事を願うばかりだった。
どんぐらい時間が経っただろう。
いつの間にかウトウトしてしまっていた俺の肩を白衣を着た、つまりお医者さんがポンポンと叩く。
「櫻井、さん?」
翔「……あ、すみません。つい、ウトウトしてしまって…」
「いえ、あんなに時間経ったんですから。
……さて、相葉さんの容態ですが」
俺の唾を飲み込む音だけ、この空間に響き渡っていった。
「一命はとりとめました。倒れた原因は………」
翔「えっ?」
いきなり表情を曇らせた。口ごもるほど、なにかあったのだろうか……