第2章 影
Sside
彼の、声が聞こえた気がして。思わず俺は彼の方を振り向いた。
雅「あれ……こ、ここは……」
翔「ま、雅紀っ!!?」
雅「しょ、翔ちゃんっ…」
雅紀が、雅紀が目覚めた…!!!!
翔「雅紀っ、雅紀っ、雅紀いいい」
言葉にならない感情が芽生え、雅紀の肩に俺の暖かい液体が流れ落ちた。
雅「翔ちゃんっ、あ、あのね…」
雅紀は目覚めるまでのことを俺に言葉に出来る限り伝えた。
翔「お、俺が…??」
雅「そう。翔ちゃんの声で、俺は目が覚めたの」
翔「ま、まさか…」
雅「えっ?なにか思い当たる節があるの?」
ま、まさか、さっき俺がした…雅紀にした…キス!?