第1章 Episode0 #すべてのはじまり
冬は日が落ちるのが早い。
まだ6時にもなっていないのに、病院の窓から見える景色は真っ暗だ。
ほんと、いつになったら目が覚めるんだろ。
そんなことを考えているうちに、彼が寝ているベッドに突っ伏して私も浅い眠りについてしまった。
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【──side】
目が覚めると、俺の全く知らない場所だった。
部屋の中に見えるいくつものベッド。
寝起きでもわかる。
ここは病院だ。
なんで俺がこんなところに?
朦朧としていた記憶が徐々に蘇ってくる。
そうだ………。
あの時俺は倒れて………。
『ん………』
「っ……!?」
突如聞こえた声に、俺は思わず声が出そうになった。声のした方に目を向けると、全く知らない女性が俺が寝ているベッドに突っ伏していた。