第1章 Episode0 #すべてのはじまり
『わ、私はいいと思います!恋愛って人それぞれだし!誰にも制御できないものってあると思うんです!』
だから、えっと、などと次の言葉を必死に探していると、梶さんが堪えきれなくなったように吹き出した。
「はははははっ、なんですかそれ」
なんですか、とはつまりは結論を求められている?
そう解釈した私は、頭の中をぐるぐると回り続ける思考を断ち切り、答えを導き出した。
『つまりは…………えっと、応援しますっ!!』
初対面の方の恋愛を私がどうこうできるわけがない。応援すらしてもいいのか分からない。それでも、恋愛って自由だから!私は彼を応援する、と決めたのです。
「まず、思考がズレてます」
まさかの、私の思考が異常宣言をされ、がつんと殴られた(ことはないけど)ような鈍い痛いが響く。
直球!
直球すぎます!
「俺とマネージャーはそのままの関係です。貴方が想像しているような関係はひとつもありません。普通に信頼しているだけです」
それを聞いて、顔に熱が上っていくのを感じた。
だって、それじゃあまるで………
「つまり、あなたの勘違いですね」