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【イケメン王宮】小さな恋の物語

第5章 小さな恋の物語


「えと…レオ様が持ってきてくださって…お選びくださったのはプリンセスだと…」

「いや、選んだのもレオだな。」

ふぅ、と小さく溜息をついたアラン様は、私の頬に手を伸ばした。

「レオ様が?」

何でわざわざ?と、疑問符が頭の中に沢山浮かぶ。

頬に触れていたアラン様の手が、頬から離れたかと思うと…そのまま腰を引き寄せられて…

「俺の好みを知ってるのはあいつくらいだ。」

と、アラン様は耳元で低く呟いた。

「凄く似合ってる。」

耳元で囁かれたかと思うと、そのまま耳に唇が触れる。

「レオと他に話した?」

アラン様はレオ様と仲良しなのかな?

「レオ様にダンスを教えていただきました。」

耳や頬にキスをされながら、そう答えれば、アラン様はぴたりとキスを止めて、黙ってしまわれた。

「アラン様?」

何か考えこまれてるご様子で…私はいけない事を言ってしまったのかと不安になる。

「ったくあいつら…」

そう言って、アラン様はその場にしゃがみ込んだ。

「あの…アラン様とレオ様は仲良しなのですか?」

私にとっては素朴な疑問だったのだけれど、少し驚いたお顔をされてしまった。

「ああ…聞いてないのか。俺ら双子なんだよ。あいつが兄で俺が弟。」

ええ?!

今度は私が驚いていれば、アラン様は立ち上がって、あははと笑った。

そして私の手を取ると、

「しょうがない…行くか…」

と、再びお城の中に歩いて行く。

「アラン様何処へ?」

歩幅を合わせてゆっくり歩いてくださっていた足がぴたりと止まった。

そしてその場に片膝をついて…私の手の甲に唇をあてると…

「、俺と踊ってくれるか?」

と、鋭い瞳は私を射抜き、痺れてしまいそうな強くて優しい声で、アラン様は私にそんな言葉をくださった。

「よ…よろしくお願いします…」

そんなアラン様が素敵で…今にも倒れてしまいそうな私は、消え入りそうな声しか出ない。

立ち上がったアラン様は、再び私の手を握って歩き出す。

「まあ…断らせねえけど」

アラン様が小さくこぼしたその言葉に、溢れ出してる私の気持ちが決壊してしまった。

「アラン様…アラン様が好きです。」

こぼれ落ちるように出てきた自分の言葉に、どんどん体中が熱くなる。
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