第2章 洗脳ハートⅡ「心配だから」
「ありがとうございます!凄く大切にします!」
「当り前だろィ。俺が連絡したら必ず出ろよ。」
「はいっ!」
もちろん真衣に渡した携帯のアドレス帳には
俺の番号しか入ってねーぜィ。
ついでにGPS機能つき。
それがありゃ、いつでも真衣の居場所が分かる。
俺の携帯から把握する事も出来るから
もう、真衣がもし単独任務で帰りが遅くても
これを使えば簡単でさァ。
まァ、一人で任務になんて行かせ無ェけど。
「携帯、隊服とデザインが似てますね。」
「全員、同じデザインだからでさァ。」
「そうなんですか。真選組の一員になったって感じで
何だかわくわくして嬉しいですね。」
「浮かれて必要以上に連絡先教えんなよィ。」
「大丈夫ですよー。本当、ありがとうございます。」
真衣は両手で大事そうに携帯を握り閉めた。
沖田はそれを見るなり、また要らない一言を
真衣に放った。
「そんな握ると粉砕するだろィ。怪力女。」
「いッ...!今、沖田さんて優しいとこもあるんだなって思ったのに!!
ってかそれ前も言われたんですけど!
私、そんな言う程も握力無いですからね!」
内心、喜んで貰えて嬉しい筈なのだが意地悪な沖田。
本人は照れ隠しのつもりでも
それを知らない真衣は負けじと言い返す。
「あァ、そーかィ。貧弱女で満足ですかィ。」
「貧弱でもないですけど!!」
「全く、我侭な女ですねィ。」
「ちょッ、何ですかそれ!怪力と貧弱て極端なんですよ!
普通ってのはないんですか!?」
「俺は白か黒かで生きてんでィ。」
「...事件じゃないんですから。」
そんなやり取りを続けていると、沖田と真衣の前に
土方が急ぎ気味に歩いてきた。