• テキストサイズ

「洗脳ハート」

第2章 洗脳ハートⅡ「心配だから」



「ほらよ」


ぶっきら棒にそう言いながら沖田は
真衣の目の前に携帯電話を差し出した。

不思議そうな表情を浮かべて首を傾げながら
真衣はゆっくりとそれを手に取る。


「携帯、ですか?」


「ん。」


「えっ...も、もしかして買ってくれたんですか?」


「お前用だから常に持っとけや。」



そう説明すると真衣は嬉しそうに携帯電話を見つめた。


真衣は入隊してもう数ヶ月になる。


本来なら携帯も既に持っている筈なのだが
沖田のサボり癖のせいで溜まった仕事を
真衣がカバーしている為、纏った休みも無く
なかなか契約が出来ず、遅れていたのだ。


副長の土方が代わりに用意すると言っていたが
沖田が自分の部下だからと尤もな理由でさせなかった。


だから、この携帯は沖田が巡回の途中
こっそり買ってきたものだ。



いつの間にか俺にとって真衣は部下以上の
存在になってて、いつの間にか好きになってた。

そしてそれを受け入れちまったら
以前よりもっと頭から離れなくなっちまって。


柄にも無ェが病的に惚れてる。

それに気付かないふりもしたが無理だった。

だから開き直る事にした。


なかなか素直にはなれないが、
それでも出来る限り真衣に尽くそうと思う。
素直にこの気持ちを伝える事は出来ないが
ただ、片思いで終らせたくない。

そう思った。
/ 23ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp