第2章 イケナイ雰囲気
仕事に行きたくない。
行きたくないというか、行きづらい。
昨日、俺は成瀬さんに…
思い出したくもない。
だけど、行かなければならない。
俺…もう辞めたいんだけど。
「お早うございます…」
「あれ?快斗くん、元気ないね?どした?」
どうもこうも、あんたがつけた世話係のせいだよ。
「疲れてるだけですよ!大丈夫です。」
「そっかぁ、ま、無理すんなよ。」
「はい。っ!?」
目の前に成瀬さんが立っていた。
「お、お早うございます…」
顔が上がらない。真っ直ぐ顔みたら
ドキドキしそうだ。
「声小せえよ。」
「すみませんね。」
早くここから逃げたくて、
すぐにロッカーに向かった。
慌てているせいか、上手く燕尾服が着れない。
俺、昨日からおかしいな。
ま、適当に着るしかない。
とにかく俺は成瀬さんになるべく関わるのを避けたい。