第2章 イケナイ雰囲気
ため息をつきながら仕事をする。
俺は相当疲れてる。
「お前、ネクタイ曲がってんぞ。」
さっき適当に着たせいか、着方がぐだぐだだ。
「上手く着れなくて…」
「こっちこいよ、直してやる。」
「いや、自分で出来ますから。」
適当な嘘をついてでも、
極力近くに寄りたくない。
「出来ねーから、そうなってんだろ?」
返す言葉がなくなり、
仕方なく受け入れた。
成瀬さんの手は大きくて、温かい。
結び方も凄く上手い。
近くにいるせいか、息が近い。
はやくやってくれないと、俺どうにかなりそう。
「ほらよ。」
「ありがとうございます。上手いですね結び方。」
「たりめーだ。」
やっぱり一言多い。
でも、俺が自分でやったときより上手く結べてる。
仕事の面でも尊敬はしてる。
なんでも出来ちゃうし、俺は未だにこの仕事に慣れないし。