第3章 近づく距離
俺、ほんと今日はついてない。
やっと仕事が終わった。いつもより長く感じた。
丁度、みんな片付けをしている時間帯だった。
勿論、俺も掃除中。主に休憩室の。
ここには1番近づきたくなかったけど
仕事だから仕方がない。
あれから、成瀬さんとは目すら合わせていない。
「おい。そこホコリあるぞ。」
「えっ…な、成瀬さん!?あ、はい。」
俺、今一人だと思ってた。
油断していた。
急に声をかけられて背筋がビクッと驚いた。
すっげー緊張する。それに気まずいし。
「お前って童貞じゃねーよな?」
「はい?と、突然なんてこと言い出すんっすか?」
「いーから、どっちなんだ?」