第3章 近づく距離
頭が真っ白だ。
こんなところで男に犯されてしまった。
「小森、大丈夫か?」
「大丈夫なわけないだろ?!」
成瀬さんはお腹を抱えて笑い出した。
俺はとにかく複雑な気持ちだ。
「ほら、包帯巻いてから戻って来いよ。」
「…。」
気まずい。顔も見れないほど
もう、辞めたい…
いつの間にか涙目になっていた。
「おい、泣くなよ?」
「泣かねーし。」
腹が立つ。
男に犯されて感じてる俺にもむかつくけど
1番はあれが初めてだったことだ。
あんなに気持ちいなんて…
そんなことを考えているともっと
腹が立ってきた。
包帯を巻き終わって、仕事に戻った。
「快斗くん、大丈夫かい?」
「店長、すみませんでした。大丈夫です。」
「いいよ!それよりなんか悩んでんなら話聞くよ?」
「ありがとうございます!」
よかった。店長が優しい人で。
みんなにも謝らなきゃ。
その後仕事のメンバーに謝りまわった。