第2章 イケナイ雰囲気
あぁ。だるい…昨日、あんまり寝てないからだ。
体も重いし、いつもの倍は疲れやすい。
手も足も先の先まで重く感じる。
やばい、いつもは普通に紅茶も運べるのに
指が痙攣して…
「あっ!!!!」
そのまま紅茶を落としてしまった。
ガッシャーーーーン!
「おい、どうした?大丈夫か?」
「すみませんっ💦すぐ片付けますっ!」
割れたカップの破片を寄せ集めた。
失態だ。こんなミス、したくなかったのに。
まだ指が痙攣している。
涙がでそうだ。男が泣いてどうするんだ。
さっさと破片を片付けないと…
「お前、腕火傷してんぞっ!」
えっ!?言われてみてみると
肌が赤くなっていた。ジリジリと熱くて
段々、痛みがでてきた。
「さっさと冷やせ!」
「ここを片付けてから…」
「いーからこっち来いっ!」
俺の腕を掴んで休憩室へと走った。
破片の片付けは他の人がやってくれた。
破片を急いで集めたせいか血も出ている。
すぐに冷水に手をつっこまれた。
「冷たっ!!」
「そんくらい我慢しろ、アホ。」
いつも通り一言多い。
でも、こんなことまでしてくれて…
まぁ、これもきっと世話係の仕事なのか。
「すみません。俺…」
「他に怪我はねぇのか?」
「え?あ、後は大丈夫です。それより、俺…」
「なら、良かった。」
へっ?なんでこの人叱らないの?
俺の心配ばっかり気にして。
「成瀬さん!あのっ…」
「わかってるよ。もう、いい。」
「でも。俺、今日いろいろミスばっかりしてて」