第2章 虹村家の娘 2
深夜。
肌寒いな、と思いながら目を開くと、布団がはぎ取られている。
不思議に思っていると、顔に何かがかかってきた。
形兆の髪だった。
「…おかえり…」
寝起きのかすれた声をかけるが、上半身裸で私に覆い被さるような体制のまま、じっと動かない。
「形兆?」
「お前は」
急に発せられた低くうなるような声に思わずビクリと肩を揺らした。
「お前はあんなことをされてよく忘れられたなァ?」
一瞬、何を言っているのか分からなかった。
「今度は忘れさせねぇぞ」
昼間と同じように、私の首元に手が伸びる。
あの苦しさがこみあげてきて、思わずその手をはたいてしまった。
途端、形兆の顔色が変わった。
荒々しく彼の手が私の服に伸びたかと思うと、ビッ、と勢いのある音を立て、私のシャツが引き裂かれた。
糸が千切れボタンが床に転がり、下着を着けていない胸が形兆の目の前にあらわになってしまう。
「なんっ…!!」
抗議の声は、口をふさがれたせいで遮られてしまった。
「んっ、んぅ…!」
背中を形兆の指が這い、思わず腰が浮いてしまう。
ズボン越しに熱くて固いものを押し付けられ、体が大きく跳ねた。
無理矢理ねじ込まれた舌が私から理性を奪っていく。
「ふ、あぁっ…」
「まんざらでもねぇんだな?」
口を離して楽しげに笑う形兆の手が、胸に伸びた。
胸の飾りを形兆の指が強く弾き、その度にうわずった声が漏れる。
手と入れ替わりに今度は舌が胸を這い、感じたことの無い快感に抵抗できなくなっていた。
一気にズボンと下着をおろされ、形兆がベルトを外しているのが視界にはいる。
「今度は生でしっかり中出ししてやるからな」
びしょびしょに濡れた所に、形兆の熱いモノがあてがわれた。
「はうぅっ…!ひっ、あ、あぁっ…!」
形兆がゆっくりと腰を入れると、じわじわと快感が押し寄せてくる。
手を引かれるまま背中に手を回し、欲情しきった彼の瞳をじっと見つめた。
どちらからともなく舌を絡ませ、痺れるような甘い快感に体を沈める。
「はぁっ、ずいぶん積極的だなぁ?俺としては…っふぅ、嬉しいがな…っ!」
そう言われた直後に奥を一気に突かれ、頭に電流が流れたように感じた。
「っあああぁぁあぁぁあっ!!!」
ジュプ、ジュプといういやらしい水音とベッドのきしむ音が静かな部屋に響く。