第6章 虹村家の娘 6
「あっ…ああ〜…」
何も言えない。ただ顔を隠して呻くだけしかできない。
「あれって血が繋がってないとはしても兄弟ですることじゃあねぇーだろうよォ?」
「もはや兄弟じゃあねぇんだよックソッタレが」
なんとか仗助の発言に噛み付くが、無論立場は仗助の方が上である。
と、仗助の額に見慣れないものがあるのに気づいた。
ネジの頭のようなものが、ピタリと仗助の額に張り付いている。
「つまり、お互いにそれほど大事っつーことか」
そう言った途端、仗助が私の手を掴んだ。
掴んだといっても心ときめくようなものじゃなく、そのまま握りつぶされるかというほど強い力で。
刹那、仗助の姿が私へと成り代わったではないか。
こいつ、仗助じゃない!
すぐさまスタンドを出し、そいつの頭に拳を叩き込む寸前、そいつが叫んだ。
「アンタの読み、あってたぜ!!」
何のことだ…?
叫び終わるのと同時に、そいつの頭が砕け木片となり散っていく。
体はどうしてか木の球体人形へとなり、床に崩れ落ちる。
…これはスタンドではないのか?いや、人形を使ったスタンド…?
「やっぱりあってたか」
背後から突然声がして、驚きつつもそちらを振り向いた。
そこで、わたしの意識は途切れてしまった。