第6章 虹村家の娘 6
「ただいまァ〜…お、なんだオメーやっぱ帰ってたのかよォ〜」
「おかえり、1日中あんな制服着てられっかよ」
シャワーと着替えを済ませ、少しした時に億泰が帰ってきた。
疲れたしもう寝てしまいたいが、これから形兆と夕飯の買い物に行こうとした矢先にだ。
「こんちわ~ッス…おじゃましま〜ス」
ひょい、と億泰の後ろから仗助が顔を出した。
「東方仗助か。久しぶりだな」
「あ、億泰の兄貴…!ども、久しぶりッス」
私の後ろからも形兆が出てきた。
「兄貴たちどっか行くんすか?」
「ちょっと買い物にね。なんかいるものある?」
「んーん、ねぇかな。俺たち今からここで遊ぶんだけどいい?」
「好きにしろ。それと、買い物は俺1人で行くから、お前は家にいろ」
「え、なんで?」
「こいつらが暴れねーように見張ってろ」
「…分かった」
「なんだ残るのか?んじゃあ3人で遊ぼーぜ!」
形兆の態度に違和感を感じつつもそれに従い、玄関の戸を閉める。
2人とも遊ぶっていったって家で何して遊ぶんだよ。
そんなことを考えながら部屋に戻った。
「億泰は?」
「あぁ、お茶持って来るっつってあっちの部屋に行ったぜ」
「ふぅん」
とりあえず近くのいすに腰を下ろした。
「…なぁ、ひとつ聞いていいか?」
普段と違う雰囲気に若干戸惑いながらも、頷く。
「あんた、形兆の兄貴とどういう関係なんだ?」
さっきのさっきでそれを聞くんじゃあねーよ!
「そりゃあ兄弟でしょ…血は繋がってないけどさ」
焦りとバレたかという少しの恐怖で言葉につまりながらも答えた。
怪しまれてないよな…?
「本当によォ…それだけなのかよ?」
…待てよ、こいつなんでそんなこと聞くんだ?
仗助の鋭い視線を受けながら、思考を切り替える。
「億泰から聞いたんだけどよ、あんたら同じベッドで寝てるんだって?」
「はっ…!?あのバカ!」
つい口に出してしまってから、慌てて口を抑えた。
「やっぱ本当なのかよ…それもう既成事実あるだろ?」
「あるかっ!私ベッド無いし、兄弟なんだから普通でしょ!?」
億泰のやつ、余計なことを…!
「へぇ〜…んじゃあ、あれも普通なのかよ?」
「は?何あれって」
「今日、空き教室でしてたあれだよ」
空き教室という単語が出た時点で既に死にそうだった。
み、見られた…