第4章 虹村家の娘 4
「はっ、あ、形兆っ…んんっ、ああぁっ…!!」
快感で力の入らなくなった指先が弱々しく形兆の肌を滑る。
形兆はその手をとると、片手で私の背中を支えながら優しい口付けを落とした。
指を絡めて固く繋ぎ、赤く火照った顔をして。
私もきっと同じ顔をしていたのだろう。
不意に視界が大きく動き、私はテーブルに組み敷かれていた。
「すまん…我慢、できない」
繋いだ手はそのままに、何度も激しく突かれて気が狂いそうになる。
「ああっ!んっ、あっ、ひぁあっ…!!」
お互いの手に痛いほど力が入り、ほとんど同時に達した。
形兆は息を整えながら、わたしの上に覆い被さって手の力を抜き、解こうとする。
それが寂しくてつい、私は手を強く握りしめてしまった。
「…やっぱりお前は可愛いな…」
形兆はそうつぶやくと改めて繋いだ手に、優しく力を込めて、私に深いキスをした。