第3章 虹村家の娘 3
痛みがだんだんと心地よくなってくる。
「んっ、う、うぅ、あっ!」
押し殺していた声が漏れてしまうが、快感には勝てない。
「チッ、このドマゾの雌豚が…勝手に喘いでんじゃあねぇぞ」
形兆の低い声が織りなす台詞に、ゾクゾクと快感が募る。
形兆のソレが離れたかと思うと、ピリ、という音がして、形兆がゴムをつけていることが分かった。
そして再び、ソレが私に宛がわれる。
「さっきより解れちまったな…まぁいい、いつ億泰のやつが帰ってくるのか楽しみだなぁ?」
いやらしい音を立てながらゆっくりと私の中へ押し入ってくる。
「ひっ…!あ、んんぁっ…!」
久しぶりの行為に身体中が喜んでいるように、とても熱く感じる。
もしかしたら今この瞬間に玄関の扉が開いてしまうかもしれない。
億泰に見られてしまうかもしれない。
怖くて嫌なはずなのに、気持ちよさで頭がクラクラする。
「は、あっ!んっ、んぅ、ふ、あぁあっ…!」
形兆も興奮しているのか、唸るように息を吐いては腰を打ちつけてくる。
汗がにじみ、シャツが肌に張り付く。
いつもはベタついて嫌なのだが、今だけは心地よくすら感じた。
切羽詰まった呼吸を繰り返す私の唇に、形兆の唇が重なる。
そのままいつものように舌をからめ、悩ましい吐息とともに唇を離した。
大きく骨張った形兆の手が私の手首を床に押さえつけ、更に奥を突く。
「あ、あああぁぁぁっ…!!!ひっ、あぁあっ!!」
より強い快感がせり上がってきて、悲鳴に近い嬌声をあげてしまう。
「イイ声出せんじゃあねぇか…ほら、もっと鳴け、アイツにちゃんと聞こえるようになっ…!」
「ひっ、や、やぁっ!んぁあっ、は、ああぁあっ!」
「嫌?嫌っつーわけじゃあねぇんだろ?こんなに濡れてんだからなぁっ…」
形兆が欲情しきった獣のような目をして、私の唇に吸い付く。
貪るように長いキス。
その間にも腰の動きは止めずに、ひたすらにガツガツと打ちつけてくる。
頭がぼうっとして、まともにものが考えられなくなり、理性がすり減っていく。
ただ快楽に身を任せ、形兆のキスを受け入れていた。
いつ扉が開いて誰に見られるか分からないという状況が更に私を興奮させる。
結局、最後まで扉が開くことはなかった。
形兆は少し残念そうにしていたがとんでもない。