第3章 虹村家の娘 3
その日、家に帰ると誰も居なかった。
比較的早い時間に学校を出たからだろう。
玄関から廊下に上がったとき、ガチャ、と扉の開く音がした。
「あ、おかえり形兆」
振り返って声をかけると、無愛想にあぁ、と返される。
向き直って歩き出そうとしたとき、ぐい、と長ランを引かれ、後ろから抱きしめられた。
「静かにしてろよ」
耳元で低い声で囁かれ、ゾク、と背筋が痺れるように感じた。
形兆の左手が長ランのボタンをたやすくはずし、胸へのびた。
はぁ、という熱のこもった低い吐息が耳にかかる。
荒々しくシャツと下着越しに胸を揉みしだかれ、私の口からも吐息が漏れた。
床に仰向けに押し倒され、襟を開けられて痕まみれの首元が露わになった。
形兆は満足げにその痕を舐めあげると、また新たな痕をつけ始める。
ようやく口を離したかと思うと、なんと私のズボンに手をかけた。
「っちょっとまって…!ここ玄関…!」
慌てて腕を掴んで制すが、しったこっちゃないという顔でずりおろそうとする。
「いいじゃあねぇか、もう見せつけてやろうぜ」
「なっ…よくない、離してっ…!」
やはり年上の男に力で勝てるはずがなく、あっけなく脱がされてしまった。
「今あいつが帰ってきたらどう思うんだろうなァ?」
顔を歪めて意地悪く笑った。
私は涙目でイヤイヤと首を振るが、下着にもすでに手がかけられている。
もはや抵抗しても意味は無い。
しかしこの状況を億泰が目撃したら、ということを思うと、泣きそうなほどだ。
「そんなに嫌か?」
下着に手をかけたまま形兆が問う。
ここぞとばかりにうなずく。が、
「フン、嫌じゃあなけりゃ意味ねぇんだよ」
そう言い捨てられ下着を取り払われてしまった。
「お前、よく億泰のやつと一緒にいるよなぁ?」
私の片足を持ち上げ、ズボンのベルトを外しながら言う。
「一回とはいえ、キスされた男と2人でいるか?普通」
形兆の張り詰めたソレが空気に晒される。
そして、まだ解れていないわたしのソコへ無理矢理押しつけた。
「うっ、あ、痛ぁっ…!」
「だろうなぁ、解してねぇからな」
逃げようとする私の体を押さえつけ、なおも押し込む。
形兆は痛がる私を見て楽しそうに口角をあげている。
でも、私はその表情にすら見惚れてしまいそうだ。