第17章 魔王様とドッキリ
隼くんの部屋を少し片付けた後、共有ルームに向かうとキッチンからダシの良い香りがしてきた。
「おはようございます。夜くん」
「おはようございます。小春さん」
さっき来たときは人気のない静かなここも1人居るだけで雰囲気が変わる。
「今日はどんなお味噌汁なんですか?」
「豆腐とワカメと油揚げにしようかなって…」
「私、夜くんのお味噌汁好きですよ」
「俺も小春のお味噌汁好きです」
「ふふ…ありがとう。じゃあ、明日は私がお味噌汁作りますね」
「楽しみです」
「私は卵焼きでも作ろうかな?」
「じゃあこのダシ、少し取っておきますね」
「ありがとう」
冷蔵庫を開けて卵を取り出していると、廊下から人の気配。
「おはよう、夜」
「おはようございます。夜さん。名前と違って早起きですね」
「その言葉、生まれてから千回以上は聞かされた」
「小春さんも居たんですね」
「またカメラ…」
私は身を低くしながらカメラから離れた。
部屋に戻り床に座る。
「ふぅ…早く終わらないかな…撮影」
寝起きドッキリって言っていたからもうすぐ終わると思うんだけど…