第17章 魔王様とドッキリ
【隼】
「ん…ふぁ……」
目が覚め時計を見ればまだ朝の7時前…
こんな早く起きてしまってはまた海に働けなんて言われてしまう。
それはイヤだな…
「もう一眠り…」
再び布団を被れば遠くから聞こえる物音。
小春が掃除でもしているのかな?
「………かな……」
暫く耳をすませていれば、何かを呟く小春。
「まだ終わらないのかな?」
まだ終わらない?
「もう帰ったのかな?」
誰か来ているのか?
僕は何も聞かされていないし、何も知らない。
「誰か来ているのかな?」
「葵くんと恋くんがカメラマンさんたちとツキノ寮でドッキリ……あっ!隼くん…」
成る程ね…
小春はカメラ苦手だもんね…
逃げてきたわけだ。
「でも、ドッキリ…僕の所には来ないな…」
「隼くんの所は…」
玄関が魔界に通じてしまったらしく、皆が逃げ出した…との事だった。
「残念」