第16章 魔王様と冬【クリスマスイブ編】
今日も遅くなると聞いたグラビ、プロセラの皆の為に温かいスープを作っていた。
少し外に出るだけでも寒いこの季節。
毎日のように夜遅くに帰ってくる皆。
ただじっと帰りを待っているだけの毎日。
私に出来ることは無いのか?
そう考えた結果がこれだった。
何時に帰ってくるかは分からないけど、直ぐに戴けるように…と。
クリスマスツリーを眺め、ぼーっとしているとふと、目に付くカレンダー。
後数日すればクリスマスだった。
だけどその日は…
「仕事か…」
生放送の音楽番組。
クリスマスと今年最後の放送と言う事で長時間のスペシャルになっていた。
ユニット曲だけでなくコラボもあり、出番が終わって直ぐに帰れる…と言う訳にはいかなかった。
今年はここで1人寂しく過ごすクリスマスになりそう…
「ふふ…白田たちも一緒に過ごしてくれるの?ありがとう」
足元でスリスリとさせる白田。
一緒だよ…と語りかけるようだった。