第13章 魔王様と寂しさ
泣いてしまい目が紅くなってしまった。
泣いたら少しスッキリした。
しかし、これでは泣いたのが知られてしまう…
そう思い、買い物に出たのはいいが、少し買いすぎてしまった。
両手に買い物バッグを持ち歩いているとふと、目に付いたのは紅茶の専門店。
「そういえば、紅茶の茶葉が少なかったような…」
隼くんに買ってあげようと中に入る。
何種類もの茶葉だけでなく、ティーポットやカップ、お茶菓子など紅茶に関わるものが沢山あり、どれも目移りしてしまう。
値段もリーズナブルは物から高級な物まで様々。
「どれにしようかな?」
隼くんだったらきっと…
『じゃあ、全部買おうかな…帰って全部飲み比べ…幸せだね』
なんて言いそうで…
「ふふっ…」
脳裏に浮かぶのは優雅にお茶をするいつもの姿。
「すみません、これ、頂けますか?」
お洒落に包装された袋を持ち店を出ると夕方と言う時間は過ぎ、暗くなり始めていた。
「いけない!早く帰らないと」
食事の支度も中途半端にしたまま買い物に出てきていた。
私は急いで寮へと急いだ。