第13章 魔王様と寂しさ
テレビ局の廊下を歩くと壁には番組や、アイドル、歌手の告知ポスター。
その中にはグラビとプロセラの新曲のポスターも貼ってあった。
「隼くん…」
寂しいと思ってしまうはどうして?
毎日会っていても、話していても、触れていても…
ファンの子立ちよりも一緒なのに…
「どうして、寂しいの?」
ぼやける視界
頬を伝う涙で泣いている事に気付かされる。
「うぅっ…」
拭いても拭いても止まらない涙。
一緒に居れれば良い。
恋人なんかじゃない
霜月家の御曹司と使用人
その関係がただ続いていただけだったのかも知れない。
「分からない……分からないよ…」
私が誰なのか
何のために、誰のために在るのか。