第9章 魔王様と夏の海
【隼】
バランスを崩した小春と一緒に僕の身体も海の中へ。
元々足元だけ入っていたの場所だったから浅く、少し濡れる程度で済んだ。
「隼!」
「小春ちゃん!大丈夫!?」
僕を呼んでいた海や、陽たちがこちらへ走ってくる。
「小春、大丈夫?立てる?」
「大丈夫…隼くん、ごめんなさい。私が…」
小春を起こし立ち上がる。
「濡れちゃったね…」
しかし、浅いとは言うけれど、横になれば身体は海水に浸かってしまう。
パーカーを羽織っていた小春はパーカーごと濡れ、水着の形が露わになっていた。
自分よりも僕を心配する小春はもちろん気づいていない。
教えてあげた方が良いのかな?
悩んだ僕の答えは教えない。
だって、小春が可愛いいから。
いつ気づくのかな?