第8章 魔王様と愛
中学、高校…とクラスは違ったけれど、時間が合えば一緒に過ごしていた。
そんなある日の事。
「小春の事は好きじゃない…」
隼くんと一緒に帰ろうと教室に行くと、クラスメイトに話す隼くんがいた。
「……っ」
胸が苦しかった。
涙が止まらなかった。
隼くんが好き。
でもそれは私の片思いだった。
「小春っ!」
「しゅ……くん…」
走っていた私を追いかけてきた。
いつも走るなんと事しないのに…。
「どうして?」
「え?」
「どうして、追いかけてくるの?」
「泣いていたから…小春が泣いてる。僕は、小春の笑った顔が見たい…」
「でも…」
「でも?」
「好きじゃないって……私の事好きじゃないって」
「ああ…それか」
隼くんの手は私の頬に触れると流れていた涙を拭き取りながら私に微笑んだ。
「好きだけじゃ足りない。僕は小春を愛してる」
好きって言葉じゃ表せない。
大好きでも足りない。
愛してる。
「これから先もずっと僕は小春を愛すよ。何が起こっても…小春も僕を愛してくれるかい?」
答えは1つだった。
「はい…私も隼くんを愛してる」