第8章 魔王様と愛
「隼くんとのお付き合いと言っても普段と変わらなかったんだけどね…」
何1つ変わらない日常。
それが幸せだった。
「高校3年の時に白田に出会って、スカウトされて、始くんと一緒の事務所だからって…スカウト受けて」
あの時は驚いた。
睦月始
彼の名前が出た途端に目を輝かせスカウトを受けたんだから…
「それからはとんとん拍子で話が進んで、東京の大学受けて、卒業したらすぐに上京して…」
いつの間にか私も一緒ってなっていて。
大学に通いながらツキノ寮でバイトが始まった。
「それからは皆も知ってるから話さなくても良いのかな?…っ、あれ?」
話終わるとなぜか皆シーンとしていた。
「隼らしいな」
「隼は昔から魔王様か」
口を開いたのは始くんと海さんだった。
「僕がどうしたの?」
「隼(さん)!」
「やあ、皆お揃いで…お出迎えかな?ありがとう」
「出迎えては無いけどな…」
「小春」
「今淹れますね…」
「ありがとう」
1人仕事帰りの隼くんは定位置のソファーに掛けた。
私は紅茶を淹れた。
「はい、どうぞ」
「やっぱり仕事終わりは紅茶だね…」
「隼の場合はいつも紅茶だろ?」
「海?」
「はいはい…それより早く飲めよ。夕飯にするから、皆お前待ち何だからな」
「そんなに皆、僕と食事したかったんだね~」
この日の共有ルームは夜遅くまで賑やかだった。