第8章 魔王様と愛
小学校へあがる頃には霜月家に仕えるための訓練が始まり、年々ハードルは上がっていた。
確かに大変で、辞めたいこともあった。
クラスのお友達とも遊びたかった。
でも、隼くんとも一緒にいたかった。
どっちが大切なのか、迷った事は何度もある。
そして、結局最後はいつも隼くんを選んだ。
いつしか私の隣には隼くんしか居なかった。
「暇だな」
隼くんがそう呟けばいつもロクな事がなかった。
隼くんに連れられ、2人で初めて御屋敷を飛び出した日は迷子になった。
榊さんが捜しに来てくれたお陰で何とか帰ることが出来た。
またある日は
「かくれんぼをしようか」
広い御屋敷のどこかに隠れた隼くんを捜して、見つけることが出来ないまま日が暮れ始め、結局榊さんと捜し見つけたと思えば、自分の部屋で寝ていた隼くんがいた。