第7章 ☆小さな魔王様の大冒険
涙くん、海くん、陽くん、夜くん、郁くん…と、部屋を回り最後は隼くんの部屋。
しゅんくんはここに来るのは初めてだった。
入ってみると他のみんなとは違う。
同じ作りのはずなのに広いのは長年の不思議。
そして、始くんのグッズが置いてある場所を抜けたどり着いたのは寝室。
黒田を踏み台のように立ち上がるしゅんくんはまだ慣れていないのかフラフラしていた。
『危ないよ!しゅんくん!』
「(よいしょ…よいしょ…)」
『白田…僕疲れたよ』
『黒田、頑張って!』
身体をもぞもぞとさせながら何とかベッドを登りきると突然、しゅんくんの動きは止まった。
『黒田、ごめんね!』
『いでっ!!』
疲れて床に寝ころんでいた黒田の上を通りベッドへ上がった。
「すぅ……」
『寝てる…』
そこには気持ちよさそうに眠るしゅんくんの姿。
『パパに似て寝るのが好きなのかな?』
黒田としゅんくんの方を見る。
その姿はパパに似ていた。
『ふぁぁっ…なんだか眠くなってきたよ』
私はしゅんくんの隣で眠りに付いた。
懐かしい温もりだった。