第4章 魔王様とキス
【始】
仕事を終え次の仕事までゆっくりしようと寮に戻り、玄関の前に来た。
自動で扉が開き足を踏み入れると目の前には魔王様…隼の後ろ姿。
「し、隼くん!」
「小春…」
「隼、離してやれ」
「あ、始。お帰り」
「はぁ……」
声を掛ければいつも通りの隼。
しかし、腕はしっかりと小春に回していた。
「隼、そろそろ仕事なんじゃないのか?」
「始も一緒だよね…もしかしてわざわざ僕を迎えに来てくれたのかな?嬉しいな~…」
隼の解釈でそうなってしまっているが、小春の事を考えると今はそうしておいた方が良さそうだ。
「準備して行くぞ」
「は~い」