第4章 魔王様とキス
始くんが偶然帰ってきたお陰で隼くんは私から離れ、始くんの後を着いていく。
「ありがとうございます。始くん」
私は始くんの後ろ姿に手を合わせた。
「ふぅ…」
と、息を吐き共有ルームに戻ると仕事へ行く準備が出来たプロセラメンバーが立っていた。
「行ってらっしゃい、頑張って下さいね」
「お、おう!」
陽くんは顔を真っ赤になりながら私の前を通り過ぎていった。
「小春、僕は今から仕事へ行かないといけない。帰ってきたら美味しい紅茶を入れてくれるかな?」
「はいはい」
「それと…」
隼くんの手は私の胸元に来るとボタンを付けリボンを結んだ。
「帰ったらいっぱい愛してあげる」
と、耳元で囁くと皆の後ろを歩いて行った。
その日の夜どうなったのかはまた別のお話。