第22章 魔王様とチョコレート
今年は何を作ろうか?
隼くんはお仕事なので一人でそんな事をかんがえながら大学に向かう。
今は隼くんだけでなく、グラビやプロセラの皆にマネージャーの2人。
「どうしよう…」
大学の門を抜けると、周りの女の子たちは授業に使う本やノートの入った鞄とは別に腕に掛かる紙袋。
よく見ると、集まってラッピングされたものを交換しあっていた。
今は友チョコとかが流行っているとテレビで見たような…
しかし、私はいつも通りの格好に荷物。
それに交換してくれる友人もなかなか出来ない。
「あの!」
歩いていると突然声を掛けられる。
「私…ですか?」
突然差し出されるのはラッピングされた小さな袋。
「これ…隼様に!」
「……え?」
渡すだけ渡してどこかに走っていく女の子。
手に残るのは渡された袋だけ。
1つだけだったらいいか…
袋を鞄にしまって授業に向かった。
この行動が後から私を苦しめるとも知らずに。