第21章 魔王様とデート
鏡に映る自分の姿。
アクアブルーのドレスを纏い、フワリと巻かれた髪、頭にはキラキラと輝きを放つティアラ。
小さな頃に絵本で見たおとぎ話のお姫様。
女の子なら一度は憧れるであろうプリンセス。
その憧れを……憧れが今、叶ってしまった。
「これは夢?」
夢の国は、夢の時間は……こんなにも凄いモノなの?
カーテンをあけると待っていたのは、先程までパレードで見ていた○ッキーと○ニーだった。
○ッキーと○ニーは私の手を取ると店を出る。
店を出ると人はおらず、光るイルミネーションが行く道を照らしていた。
どこに行くのかも知らない私はどこか不安もあった。
隼くんどころかキャストさんすら見えないのはおかしい。
近づくのは遠くで見ていた○○ランドの象徴のお城。
私の着ているドレスを着たキャラクターが王子様と出会った場所。
お城の前まで案内されると手が離された。
ライトアップされたお城。
大きく長く続く階段。
真っ赤な絨毯。
その先に立つ人、それは…
「隼くん」
真っ白な衣装を纏った隼くんだった。