第21章 魔王様とデート
「小春」
ゆっくりと降りてくるはやがて私の前に立つと、片足の膝を付き、私の手を取った。
「綺麗だね…小春。まるでお姫様…いや、もうお姫様になっているね」
「あの………これ…」
「この場所にいるのは僕たちて彼等だけ」
貸切だよ…と、さらりと言うのが彼らしい。
「僕たちの時間はまだこれからだよ…」
パチンと隼くんが指を鳴らす。
それと同時に消えていた園内は色鮮やかなイルミネーションで…
お城は白とブルーで照らされていた。
ドーンと空には大きな花火。
「さあ、行こう!小春!」
お城の中に入るとキャラクターたちだけでなく、他のお話のお姫様が王子様と踊っていた。
まるで、映画のワンシーンのように。
「隼くん、ありがとう…」
「どう致しまして」
胸がいっぱい…
忘れられない思い出。
夢の時間だった。