第4章 魔王様とキス
【隼】
小春が部屋を出て入れ違いにやってきたのは海。
「隼、お前何かやらかしたのか?」
「ん?どうして?」
「小春怒ってたぞ…」
小春が怒ってる?
「僕、何かしたかな…」
小春を怒らせる様なことはした覚えは全くない。
「したと言えば…キスしたくらいかな~」
「…それだな」
「海?」
「いや…なんでもない」
「それより海、何か用事?」
「ああ、そうだった…。黒月さんが呼んでるぞ」
黒月が…また仕事の話しかな…?
「僕は今そんな気分じゃ無いんだよな」
「いつもの事だろ。何せ働きたくない、動きたくないの魔王様だからな」
「そんな事はないよ。僕だってやるときはやるよ」
「例えば?」
「例えば、始とスタジオが一緒の時は仕事が早く終わるように頑張ってるよ」
「それは始が見たいからだろ」
「正解」
僕がアイドルになったのは始がいたからだからね。