第4章 魔王様とキス
共有ルームに行くとミーティングスペースには涙くん、陽くん、夜くんに郁くんプロセラメンバーと黒月さんがいた。
黒月さんがいると言う事は仕事の話だろう。
「隼くん待ちか…」
私はキッチンに立ち棚を開けコーヒーと紅茶を取り出す。
飲み物の準備をしていると海さんに押されながら嫌々と隼くんがやってきた。
「遅いぞ、隼」
「やあ、大。」
隼くんが席に座ると黒月さんが仕事の話を始めた。
「どうぞ…」
私は淹れたてのコーヒーと紅茶を皆に配り共有ルームを後にした。
離れる際、ふと後ろを振り返った。
仕事の話をしているだけなのに皆はアイドルなんだと感じた。
隼くんだっていつもと変わらないに…
どうして…
遠くに感じるんだろう。
階段を降り、寮の玄関を掃除しようと向かうとツキノ寮の動物さんたちが集合していた。
私が来たことに気付くと皆が一斉にやってきた。
「黒田、重たいよ…」
大きい黒田が座り込んだ私の背中に飛び付いた。
膝の上には白田と中井さん、肩にはホケキョさん。
前にはヤマトとコロッケが座った。
玄関から入り込む日差しに動物さんたちはお昼寝モードに突入しつつあった。
「あらあら…お昼寝ですか?キレイにしてあげるから少し待ってて」
玄関の隅っこで並びながら待っている黒田たち。
私は急いで玄関の掃除を始めた。