第17章 三成の秘密。・:+°三成。・:+°
「そうだな・・・お前が感じているあのままの男だと思うが。」
そうだよね。三成くんはあの通りの性・・・
「俺に似たものを感じる時もあるな。」
「え・・・?」
それってどういう・・・
「では頼んだ。」
光秀はそれ以上語る事なく夕霧の部屋を立ち去った。
んーっ・・・もやもやする。
俺に似たもの・・・って言ってたよね。
光秀さんに似てるってどういう事だろう・・・
いつもの三成くんと違う顔があるって事?
いやいや、それはない。・・・と思いたい。
エンジェルスマイルの三成くんがありのままの姿だと信じていたい。
うーん・・・光秀さんに聞いて余計真相が知りたくなってしまった。
秀吉さんの御殿へ向けてとぼとぼと歩く。
頭の中は三成くんでいっぱいだ。
もしもう一つの顔があるとしたら・・・一体どの部分だろう。
家康の嫌味を嫌味と捉えてないけど、あれは本気で分かってないんだと思ってた。
あれが分かった上であの返事をしているのなら恐ろしいけど・・・
まさか自分に無頓着なところがフェイクって可能性も・・・
疑えば疑う程、足取りが重くなる。
別に三成くんに何かされた訳でも無いのに。
櫓門を通り秀吉の御殿へ入る。
「夕霧様、秀吉様に御用でしょうか。」
厩から出てきた家臣に声を掛けられ足を止める。
「はい、光秀さんから頼まれものを。」
秀吉さんの部屋に通され、一人座って待つ。
四半時程経っただろうか・・・
忙しいかな、秀吉さん。
誰かに渡して帰った方が良かったかも・・・
秀吉さんの事だ。私が来ていると分かれば他の仕事を押してでも来てくれる。
その秀吉さんが遅いと言うことはかなり忙しいと言う事。
他の事を焦らせてしまうのも嫌だし、誰かに託して・・・
腰を上げようとした時、襖の向こうから声がする。
「失礼します。」
襖を開けたその人は、先程まで頭の中でぐるぐると思考を巡らせていた人。
「三成くん・・・」