第21章 はんぶんこ。・:+°幸村。・:+°side姫
頭を掻きながら笑う幸村に思わず抱きついた。
「夕霧っ・・・?」
「本当にごめん・・・私のせいなのにっ・・・幸村にろくに話も聞かずに怒って・・・」
「俺も悪かった。素直に言えばこんな事にならなかったのにな。」
抱きしめ返す幸村は苦笑いしつつ夕霧に口付けを落とす。
それに答えるように離れた唇に自分からも口付けた。
あんなにモヤモヤしていたものが一気に吹き飛んでしまい自分でも可笑しさがこみ上げてくる。
「何だよ、何笑ってんだ?」
「幸村とこうやって笑いあってるのが一番幸せだなって。」
「俺もだ。」
さらに大切そうに抱きしめてくれる幸村の胸に顔をうずめる。
「今度は気になった時にすぐに聞く事にするね。」
「わかった、俺も答える。」
「ねぇ、じゃあ早速なんだけど・・・幸村は何で佐助くんの部屋で寝てたの?夜着だけ持ってくれば寝れたのに。」
「バッ・・・バカ。うるせー何となくだからそれ以上聞くな!」
「えー!気になるよ!今約束したばっかりなのに。」
あーくそっ!そう零した幸村は耳元に口を近づけて告げた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・幸村っ」
その言葉に自分の顔が熱を持つのを感じる。
「聞きたいって言ったのはお前だろ。赤くなってんじゃねーよ。バーカ」
少年の様に笑う幸村はこつんと私の額を小突く。
「じゃあ今夜からはちゃんとはんぶんこね。」
「おー。絶対今夜は布団から出ねぇ。」
約束を交わす様にゆっくりと唇を重ねる。
やっぱり幸村とはこうやってずっと一緒にいたい・・・
ふふっと笑ってもう一度幸村の胸に顔をうずめた。
終