第9章 百物語。・:+°光秀ルート。・:+°
夕霧
「光秀さん・・・」
光秀の手が夕霧の頬を撫でると、段々熱を増しているのを感じた。
夕霧の表情が手に取るように分かる。
単純に面白さから夕霧に意地悪をしていた。・・・と思っていたのだがいつの間にか違っていた。
あんな不安で押しつぶされそうな顔は見たくない。
闇に紛れたまま口付けるとそれに応えるかのように夕霧の手が光秀の頬に触れる。
二人はしばらく暗闇の中で口付けを交わしあった。
この反応をみれば・・・夕霧の俺に対する想いを言葉で聞く必要も無さそうだ。
月明かりが再び室内をぼんやりと照らし始める。
光秀は夕霧を抱き寄せ、腰から上に背中の窪みを撫で上げる。
夕霧
「んっ・・・光秀さん・・・」
光秀
「お前を見ているとどうしても意地悪したくなるな・・・」
夕霧
「それって・・・小学生が好きな子に意地悪するのと同じですね。」
ふふっと夕霧が笑う。
光秀
「しょうがくせいとは何だ?」
夕霧
「子どもの事です。」
光秀
「子どもか・・・」
そうなのかもしれない。
秀吉や政宗達にするそれとは違い、夕霧に向けてする意地悪は光秀に別の感情を沸き立たせる。
純粋に愛する人の反応がみたい・・・
その一心なのだから。
フッと笑うともう一度夕霧に口付けを落とした。
光秀
「お前も意地悪されるの好きだろう・・・」
終