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あなたと〖イケメン戦国〗

第9章 百物語。・:+°光秀ルート。・:+°




月明かりでわずかに見える光秀の顔が別人に見えた。



夕霧
「本物の光秀さんですか・・・?」



真剣な顔をして夕霧が尋ねる。



それを聞いた光秀は笑い始めた。



光秀
「俺が物の怪にでも見えるのか・・・?」



夕霧
「そうじゃなくて・・・」



ここまで出かかった言葉を飲み込む。



光秀
「何だ・・・言ってみろ。」



夕霧
「いえ・・・何でも・・・」



光秀
「ではお前をここに連れ出した理由も話す必要は無いな。」



夕霧
「え!?」



光秀
「お前が言わない以上俺も話すつもりは無い。」




光秀はスッと立ち上がりその場を去ろうとする。



夕霧
「待ってくださいっ!!」



光秀
「何だ・・・」



夕霧
「・・・いつもの光秀さんと違ったから混乱したというか・・・」



光秀
「よく意味がわからんが・・・」



夕霧
「さっき頭を撫でてくれた時の顔が悲しそうで・・・そんな表情見せるなんて思ってなくて・・・」



まとまらない気持ちを言葉に上手く出来ないまま光秀にぶつける。


それだけではない。


その後からの表情はいつも余裕たっぷりの光秀の顔とどれも掛け離れていた。


どこか憂いを帯びた何とも切ない顔・・・






光秀
「そんな顔をお前にはしていたのだな。」



そっと手を夕霧の頬に当てる。


光秀
「最初はお前の反応を見て楽しんでいたが・・・・・・段々と不安そうな、何とも言えない顔を見たらあの場から連れ出していた。」



光秀はの表情はいつもと変わらなくなったが何となく苦笑に近い顔をしている気がした。




光秀
「どうやらお前の事となると顔に出るらしい。」



光秀が夕霧の髪に触れ、一束手に取るとそっと口付けた。



夕霧
「それって・・・」



光秀は夕霧の耳元に唇を寄せ囁く。



光秀
「聞きたいのか・・・?」



耳にかかる吐息にピクリと体が反応する。



月が雲に隠れ夕霧の顔が見えなくなったのを確認したかのように光秀がもう一度耳元で囁く。




「愛しているよ・・・」











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