第19章 お手伝い。・:+°秀吉。・:+°
「えっ?」
言われた事を理解し頬が染まっていく。
「相手は三成くんだよ?そんなつもりじゃ・・・」
「分かってるけど、つい・・・な。」
慌てる夕霧を秀吉は自分の肩に抱き寄せた。
「まぁ、どっちかっていうと男にって言うより寝付いた子どもに・・・って感じだったが。」
すぅー・・・すぅー・・・と規則正しい寝息が聞こえてくる方を向けば三成の無防備な寝顔。
二人で三成を起こさない様気を付けながらクスクス笑う。
「秀吉さんはお母さんみたいだったけどね。」
「なっ・・・母はないだろう。せめて父にしてくれ。」
苦笑いする秀吉さんを見つめて夕霧は続ける。
「お父さんも大事だけど、お母さんって子どもにとってとっても大切だから。大きくなるとお父さんの存在も大きくなっていくけど、お母さんは生まれた時から子どもにとって大きな存在なんだよ。」
「だから、秀吉さんはお母さんで正解なの。」
力説する夕霧を見て微笑みながら秀吉はポンポンと頭に触れた。
「そうか。でもやはり俺は子どもが出来たら父親でありたい。」
秀吉さんの父親姿か・・・
これだけ世話焼きが好きな彼だ。子どもにたくさん愛情を注いであげるんだろうな・・・
「秀吉さん、絶対いいお父さんになると思う。」
「そうか?じゃあその時は・・・お前が母になってくれ。」
「うん、わかっ・・・えぇぇぇぇぇぇぇっっっ!!!!」
軽く返事をしている途中で言われた意味を理解した夕霧。
驚きすぎて口をぱくぱくさせるがそれ以上声が出ない。
これって・・・もしかして・・・すぐにじゃないとしても・・・プ・・・プロポーズ!?
頭の中で答えがまとまった途端に、心臓がバクバクと音を立ててうるさく鳴る。
「嫌か・・・?」
夕霧を見つめる秀吉の顔は真剣そのものだが、やはり彼だ。
夕霧を困らせてしまったのではないかという不安から少し苦い顔を覗かせている。
「嫌じゃ無くて・・・突然過ぎてビックリして・・・」
その返答を聞くが早いか秀吉は夕霧を抱き締める。