第19章 お手伝い。・:+°秀吉。・:+°
「戦に行けば信長様に命を捧げる覚悟で出掛けていく俺が言うのも矛盾しているんだが・・・自分の子が出来るとすればその相手は夕霧がいい・・・そう思った。」
「秀吉さん・・・」
耳元で聞こえる声の方を向けば少し耳が赤くなっている様な気がした。
「私ももし家族を作るなら隣にいるのは秀吉さんがいい。」
動揺して何を言ったらいいか分からなかったが、これが今本当に心から思ってる言葉。
秀吉さんとずっとずっと一緒にいたい。
秀吉の反応が気になって抱きしめてくれている秀吉の顔を見上げると穏やかな表情の彼と目が合った。
「お前と共に生きられるならやっぱり命は無駄に出来ないな。何がなんでもお前の元に戻らないとな。」
「もちろん。約束・・・」
言葉を紡いでいる途中に唇を塞がられる。
優しい優しい口付けに身を委ねながら秀吉の首に腕を絡める。
「んっ・・・ふっ」
優しい口付けが深いものへと変わると夕霧の声が漏れる。
夕霧は慌てて秀吉の胸をトンと叩いた。
「悪い・・・」
それに気づいた秀吉が謝る。
「つい抑えきれなくなった。三成がいたんだったな・・・」
苦笑いをする秀吉に夕霧も笑いかけた。
「本当だよ。大きな子どもが起きちゃう。」
「三成も一安心だし、部屋に戻るか。」
「うん。」
フッと灯りを消し、二人は秀吉の自室へと戻った。
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翌日
ガヤガヤした声と物音で目が覚めるとソワソワした顔で襖の方を見やる秀吉の姿。
「ん・・・。おはよう」
「夕霧、起きたか。おはよう」
「外・・・騒がしいね。」
「あぁ。」
二人は寝衣のまま襖を開ける。
「待て、夕霧。」
ふわりと後ろから夜着を掛けられて振り向くと秀吉が真面目な顔で夕霧を見つめる
「そんな恰好だと風邪引くぞ。しかも寝衣のままなんて誰かに襲われるだろ。」
「誰も襲わないよ。」
「お前は分かってないな。とにかくダメだ。ちゃんと着ていけ。」
「はーい。」